- 尿失禁(尿漏れ)は中高年になると起きやすいの?
- はい。しかも高齢になるにつれて、生活に障害が出るほど症状は重くなりがちです。
- 若い人でも尿失禁はありますか?
- はい。特に女性は、少し漏れてしまうといったな症状の軽いものも含めれば20代や30代でも多くの方が悩んでいます。生活に支障をきたすほどの症状は、中高年になってから圧倒的に多くなります。
- 尿失禁は健康な人はなりませんか?
- いいえ、健康な方でも尿失禁は起きます。なかでも「腹圧性尿失禁」になる方は、ほとんどが健康な方なのです。
- 尿失禁の症状は人によって違うと聞いたのですが……
- はい。主なものとして「切迫性尿失禁」と「腹圧性尿失禁」が挙げられます。急に尿意を感じて、トイレまで間に合わず漏らしてしまうのが「切迫性尿失禁」。咳・くしゃみ、重たいものを持ったときなど、お腹に力が入ったときに漏れてしまうのが「腹圧性尿失禁」です。
- 切迫性尿失禁の症状は?
- 急におしっこがしたくなってトイレまで間に合わない、水道で手を洗うと漏れそうになる、といった症状があります。
- 切迫性尿失禁で困ることは何ですか?
- とにかく早めにトイレに行かなくてはならなくなり、失禁用パンツやパッドも必要になるでしょう。また、トイレが気になって外出しづらくなったり、外出先が限定されてしまったりする可能性もあります。
- どんな人がかかりやすいですか?
- 脳の病気(パーキンソン病、脳梗塞、脳出血など)や脊髄の病気(脊髄梗塞、脊髄損傷など)、または前立腺肥大症などの病気をお持ちの方がかかりやすいといえます。しかし、健康な方でも、中高年になると(特に女性)かかりやすくなります。
- なぜ切迫性尿失禁は起こるのですか?
- 自分の意思に反して、膀胱が勝手に収縮してしまうためです。
- 腹圧性尿失禁の症状は?
- 咳やくしゃみ、重いものを持ち上げたときや持って歩いているとき、立ち上がったとき、大笑いしたときなど、お腹に力が入ったときに尿漏れしてしまうのが腹圧性尿失禁です。
- 腹圧性尿失禁で困ることは何ですか?
- スポーツができなくなるなど、さまざまな動作をするときに気を遣います。また、外出することが面倒に感じたり、症状の重さによっては失禁用パンツやパッドが必要になったりします。
- 腹圧性尿失禁は病気ですか?
- このタイプの尿失禁は内臓障害に影響を及ぼすようなものではないため、病気ではありません。健康な方でも、骨盤を支えている組織が弱くなり尿道や膀胱が動揺して起こってしまうようです。また、妊娠・出産・老化などでもさらに生じやすくなるものです。
- 腹圧性尿失禁は治せますか?
- はい。適切な治療で治すことが可能です。
- どんな治療法がありますか?
- このタイプの尿失禁に効くお薬はありませんが、軽度の腹圧性尿失禁であれば骨盤底筋体操で治せることがあります。体操だけで改善できない場合は、手術が有効です。